選択を迫られる夢を見た─ 問いかけられた選択は限りなく理不尽で どちらを選んでも自分が崩れ去ってしまう 自身に問いかけてみた 『どちらのほうがマシか。』 どちらにしても自分は崩れ去ってしまうというのならば どちらかを選んだところでその結論は意味をなさないし 選ばなければ結論の意味がうまれるきっかけさえ生まれない 『なんだ、結局のところ道なんて残っていないのか。』 莫迦げている 選択肢のない問題のことを”問題”と呼ぶ人がどこにいるだろう 選ばなければならないのに選ぶことができる選択肢が存在しない これを”選択”と呼ぶのだろうか 『そうか、これは悩みそのものなんだ。』 この悩みを生み出しているのはその選択 しかしそれは選ぶことのできない、虚の選択 虚の悩みが悩みを生み出して、悩みが生まれる。 純粋な悩み 単体として存在する悩み 悩みそのもの 単体の悩みはまるで虚無のようなものだった そこには”何も”ない 真っ黒なわけでもないし 真っ白なわけでもなく 空間があるわけでもなく ”そこ”を認識することもできない 虚無を認識するとき、それは無限に広がる全てを認識するときで すべてを認識することなどできないこの頭脳は破裂して砕け散る ──虚無に飲まれるより、闇に飲まれた方がいい ──そのほうがずっと気楽だから 『考えることをすべてやめてしまえば楽だ。そんなことはわかっている。』 ──へたに考える力が残っているから苦しい ──そんなものは捨てて闇に飲まれてしまいなさい 『考えるのを捨てたら、自分自身を捨てることになる。 簡単に捨てられる程度のものなら崩れ去ってしまった方がいい。』 1つ目の選択肢を選んで崩れ去るか 2つ目の選択肢を選んで崩れ去るか 何も選ばずに明日も同じ夢を見るか 闇に身を投じて考えることをやめるか たぶん、また明日も同じ夢を見る |